nice2have コラム ・ OptSight 市町村のクラウド利用料を、都道府県が照会なしで把握する仕組み

nice2have合同会社 中島淳之介 2026年10月 #ガバメントクラウド #運用経費 #都道府県 #FinOps

標準化対応とガバメントクラウドへの移行が進み、市町村の運用経費をどう把握するかが、都道府県にとっても大きな関心事になってきました。いくつかの都道府県とお話しする中で、市町村のクラウド利用料を照会や取りまとめに頼らずに把握し、そのまま市町村の最適化にもつなげる方法にたどり着き、実際に検討が進んでいます。他の都道府県や、複数の団体を取りまとめる立場にある組織の方々にも使っていただける進め方だと感じたので、ここで紹介します。

これまでの把握のしかた

都道府県が市町村のクラウド利用料を知る方法は、多くの場合、照会です。都道府県が照会の様式を作ったり、運用経費の最適化計画に関する補助金の申請シートを使ったりして、市町村に数字を送っていただくようお願いします。市町村はデジタル庁からの請求書や運用を担うベンダーに確認して数字をまとめ、送られてきた回答を都道府県が集計する、という流れです。

OptSightで、毎日の実績が都道府県に届く

この照会と集計を便利にするのが、nice2haveのクラウド費用の可視化・最適化サービス「OptSight」を使ったやり方です。

照会なしで、都道府県全体・市町村・業務の3段階まで費用を俯瞰する。これまでとOptSightで変わることの対比と、データが集まるしくみ
都道府県全体・市町村ごと・業務ごとに、照会による把握とOptSightによる把握を並べたもの。下段がデータの集まるしくみ。

通常のOptSightと同じように、各市町村のAWSアカウントにIAMロールを作っていただきます。あとはOptSightが毎日、費用と構成の情報を自動で取得し、都道府県はOptSightの画面で域内の状況を俯瞰できます。照会をかけたり、回答を待って集計したりする作業はなくなり、数字はいつ見ても前日までの実績です。

取得するのは費用と構成の情報だけで、設定を変えたり、住民情報などの業務データにアクセスしたりすることはありません。

都道府県全体・市町村・業務の3段階で見る

集めた費用は、3つの粒度で見られるように設定します。OptSightでは、市町村ごとに「業務グループ」を割り当て、その市町村が持つ複数のAWSアカウントをひとまとめにして見られるようにするのが基本の形です。市町村の中の個別の業務(住民記録・税、福祉、戸籍など)はそれぞれのアカウントで動いているので、アカウント単位で見れば業務ごとの状況も確かめられます。画面上の「業務グループ」が市町村に、「アカウント」が業務にあたる、という使い方を都道府県にしていただくイメージです。

都道府県全体、市町村ごと、業務ごとの3つの画面イメージ。内訳と業務グループを切り替えて粒度を変える
OptSightのコスト画面で、内訳と業務グループを切り替えた3つの画面。画面はイメージで、団体名と数値はすべて例示。

都道府県全体では、すべての業務グループを対象にしたまま、域内の合計と前月同日比、どのサービスに費用がかかっているかを確かめます。内訳の表示を「業務グループ別」に切り替えると、業務グループは市町村なので、市町村ごとの日々の推移と割合がグラフに並び、前月から大きく増えた団体を見つけるのも難しくありません。気になる市町村の業務グループを選んで、内訳を「アカウント別」にすれば、その市町村の業務ごとの推移が並び、どの業務で費用が増えたのかまで都道府県の側で確かめられます。

照会の仕組みでは、業務ごとのサーバーの台数やスペック、データベースやストレージにどれだけ費用がかかっているかといった内訳は、各団体やベンダーに追加で問い合わせないと分かりませんでした。この3段階目まで見えることが、これまでとのいちばん大きな違いだと考えています。

市町村にも、OptSightをそのまま届ける

この形のよいところは、都道府県がデータを集めて俯瞰するだけで終わらない点です。同じ仕組みの上で、OptSightそのものを各市町村にも提供できます。

市町村ごとのページで、長期割引シミュレーター・削減実績・止め忘れ検知・スペック最適化・月次レポート・AI提案を提供する
都道府県が用意した市町村ごとのページで、各市町村が使える最適化の機能。

市町村の担当者にとっては、自分の団体の費用を確かめるだけでなく、そこから先の最適化に進めるのが大きな違いです。これから多くの団体で必要になる長期割引は、実際の構成をもとに、どれくらい適用すればよいかを長期割引シミュレーターで試算できます。スペック最適化で使用率の低いサーバーを見つけたり、検証環境の止め忘れや費用の急増をアラートで知ったりと、最適化の具体的な打ち手を各市町村が自分で進められる点も、このやり方ならではです。

見直しで下がった金額は削減実績として確かめられ、毎月の報告書も自動で作られます。AIによるコスト最適化の提案は、次の打ち手を削減見込み額つきで示してくれるので、何から手を付ければよいかを決める材料にもなるはずです。

小さな町村では、クラウドの費用を細かく見直す担当者を置くのが難しいのが実情です。都道府県がまとめて仕組みを用意し、市町村は同じ画面を見ながら都道府県と相談できる形にしておけば、単独では手を付けにくかった見直しにも取りかかりやすくなります。

取りまとめる立場の組織にも

ここまで都道府県を例に書いてきましたが、同じ考え方は、複数の団体を取りまとめる立場にある組織でもそのまま使えます。広域連合や一部事務組合、共同利用の事務局のように、各団体の状況を把握して助言する役割を担っている組織であれば、照会と回答の往復を毎日の実績に置き換えることができるはずです。

私自身、都道府県主催の研修やワークショップで市町村の方々と見積書を読み解く中で、「自分たちだけでは見直しの進め方が分からない」という声を何度も聞いてきました。取りまとめ役の組織が実績の数字を持ち、市町村も同じ道具で最適化を進められれば、その声に具体的に応えやすくなります。

域内の運用経費の把握や、市町村への支援の進め方で悩まれている都道府県や組織の方がいらっしゃいましたら、検討の段階からでもお気軽にお声がけください。

域内のクラウド利用料を、照会なしで把握しませんか

公開デモは会員登録不要・ブラウザですぐ。コスト内訳からAI提案・月次レポートまで、実物のUIで体験できます。
都道府県や取りまとめ役の組織での使い方についても、検討の段階からご相談ください。

お問い合わせ:lg@nice2h.com

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