
はじめに
先日、ある自治体の職員の方々を対象に「Claude Codeで学ぶ AI駆動開発と稼働環境構築」(全2回ハンズオン研修)の第1回を実施しました。
参加者全員が、この日のうちに自分の手で動くツールを完成させることができました。もちろん半日の研修でできることには限りがありますが、それでも「自分でもできた」という実感を持ち帰っていただけたのではないかと思っています。本記事では、研修の内容と、そこから見えてきたことをご紹介します。
なぜ今、職員がAI駆動開発を学ぶのか
研修の冒頭では、なぜ自治体職員がAI駆動開発を学ぶ意味があるのかを整理しました。背景は大きく2つあります。
1つ目は、現場の「小さな困りごと」との付き合い方が変わってきたことです。委託に出すほどではない、情シスに頼むほどでもない。そんな困りごとは、これまで「そういうものだ」と受け入れて手作業でしのぐしかありませんでした。それが今、現場の職員が自分たちの手で解決できる時代に変わりつつあります。我慢する対象だったものが、解決できる対象になった。この変化が本質だと考えています。
(小さすぎて頼めない)
職員自身のAI駆動開発が、
ここを埋め始めている
(時間がかかる)
2つ目は、生成AIが「見る道具」から「作る道具」へ進化したことです。文章要約の道具だったAIが、動くツールを作る道具になりました。プログラミング未経験でも、日本語の対話でツールが形になる時代に入っています。

この研修は「AIを使ってみた」で終わらせず、内製力の起点を作ることを狙いとしています。
研修の構成 ― Day 1は「自分のPCで作る」
全2回の構成は、Day 1「自分のPCで作る」、Day 2「AWSで動かす」です。今回のDay 1では、以下の流れで進めました。
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生成AI(LLM)の仕組みと注意点
ハルシネーション・プライバシーなど、便利さの前に押さえておきたい基本を確認しました。
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MCPによる外部ツール連携の実例
Gmail・カレンダー・Notionと連携した、講師が日常的に使っている構成をデモしました。
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Claude Codeの基本操作
Plan Mode・CLAUDE.md・モデルの使い分け・権限設定という「型」を学びます。
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ハンズオン①「自分の困りごと」ツール制作
あえて業務と無関係な題材で、まず成功体験を作ります。
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ハンズオン② 業務を解決するツール制作
各自が持ち込んだ業務の題材に取り組みます。
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クラウド公開のデモとDay 2への橋渡し
作ったツールをその場でインターネットに公開するまでを実演しました。
なお、モデル(頭脳)にはこの自治体のAWS Bedrock上のClaude Opus/Sonnetを利用しており、データは庁内の環境で完結する構成です。

ハンズオン① ― まず「自分でもできた」を作る
最初のハンズオンでは、あえて業務と無関係な題材を選んでもらいました。成功体験を先に作るためです。

参加者の多くはプログラミング経験のある方でしたが、Claude Codeに触れるのは初めてです。それでも、カロリー管理アプリ、やる気の出るデイリーチェックリスト、ブラウザで動くオセロゲーム、宛先を非公開にできる一括メール送信ツール、健康診断の事前予約システム、人口統計ビジュアライザー、文書発送記録のOCR読み取りアプリ(モック)など、さまざまなツールが1時間ほどで形になりました。
ざっくりした指示を出したら、Claudeの方から『データベースを使いますか、手動入力にしますか』と質問が来て、会話しながら完成した
最初から完璧な指示を書く必要はなく、AIとの対話の中で要件が固まっていく。これがAI駆動開発の実際の感覚に近いと思います。
ハンズオン② ― 業務の困りごとをツールにする
後半は、各自が持ち込んだ業務の題材に取り組みました。
このほかにも、期間指定でニュースを検索し過去の議事録と照合するツールや、申し込み機能付きのeラーニング受講管理システムなどが生まれました。いずれも「委託に出すほどではないが、あれば確実に業務が楽になる」領域のツールです。まさに、これまで受け入れるしかなかった困りごとが、解決できる対象に変わった瞬間だったのではないでしょうか。
我慢する対象だったものが、
解決できる対象になった。
クラウド公開は「数分」の世界
研修の終盤では、ハンズオンで作ったオセロゲームをAWSのS3にアップロードし、インターネットに公開してスマートフォンからアクセスするまでを、その場で実演しました。所要時間は数分です。
とはいえ、「作る」の壁がAIで下がった今も、「動かす環境」の壁は残っています。試作止まりにせず、公開する環境やセキュリティまで自分たちの手で越えられるか。ここがDay 2のテーマです。


次回は、今回作ったツールをAWSにデプロイし、認証やセキュリティも含めて「稼働する」状態を体験していただく予定です。
おわりに
研修の最後に、参加者の方から「実務でシステム開発の経験を積む機会が少ない中で、どうノウハウを身につければよいか」というご質問をいただきました。私自身も答えを持ち切れているわけではありませんが、目的のない参考書学習より、作りたいものに必要な知識として覚えていく方が身につきやすい、というのが経験からの実感です。次回のデプロイ体験を通じて、AWSのコンポーネントを1つずつ、自分のツールを動かすために覚えていく。そんな進め方を一緒に試していければと思っています。
nice2haveでは、こうしたAI駆動開発のハンズオン研修をはじめ、クラウド・セキュリティ研修、調達・計画策定支援などを自治体向けに提供しています。もし少しでも気になることがあれば、どうぞ遠慮なくお声がけください。
「自分たちで作る」の最初の一歩、一緒に踏み出しませんか
総務省 地方公共団体の経営・財務マネジメント強化事業のアドバイザー制度を通じたご相談は、自治体側の自己負担なしでご利用いただけます。
まず生成AIに触ってみたい方には、自治体職員向けの無償環境もご用意しています。
お問い合わせ:lg@nice2h.com




